3月9日からイタリア全土で始まったロックダウン、5月4日には第2フェーズに入り、近所の散歩なども許可されるようになっていましたが、5月18日から、居住する州内においては自己申請書なしで自由に移動できるようになりました。また、ソーシャルディスタンスを守りながらという制限はありますが、飲食業や小売店などのサービス業も再開し、ようやくロックダウンの終わりにたどり着いたといえるかもしれません。
再出発となったこの日は平日であいにくのお天気だったこともあり、旧市街の人出はまばらでしたが、それでもロックダウン真っ最中にSNSで見かけた、完璧に閉鎖され殺伐としていたアンリアルな街の様相とは違っていて、再開したお店の明かりや街を行き交う人々の姿を目にしては、やっと動き出したんだなぁという実感がじわじわ湧いてきました。
街中では、友達同士で和気藹々と楽しそうに散歩している若者たちが目立ちました。ビデオチャットができる時代とはいえども、やはり実際に友達と会えるのは嬉しいものですよね。皆ちゃんとマスクをして(外している人もすれ違うときにはマスクを付け直して)ソーシャルディスタンスを守っていたように思います。
フィレンツェの観光名所の一つヴェッキオ橋はガラガラ。橋の上に並ぶ宝石店はほぼ全て閉まっていて、支援策がなければ営業の再開はできないという張り紙が貼られていました。再開が許可となっても、観光客のいない今は、多くのレストランやホテルが営業再開を見合わせており、観光地フィレンツェが息を吹き返すまでにはまだしばらく時間がかかりそうです。
美術館・博物館も5月18日から再開が予定されていましたが、結局延期に。22日からボーボリ庭園が再開することになっていますが、ウフィッツィ美術館や市立の美術館の再開は未定です。また、5月25日からはスポーツジム・プール、6月15日からは映画館や劇場が再開する予定となっています(コンサートなどの観客数の上限は屋内では1000人、野外では200人まで)。
フィレンツェでは新規感染者や集中治療室の患者数がかなり減ってきており、5月17日は新規感染者がゼロを記録。ようやくロックダウンの効果が現れてきたのかなぁとホッとする一方、イタリア全土で見ると以前ロンバルディア州が突出して数字が高く、まだ気を緩められないのが実情です。
低迷する経済の立て直しのために、感染が再び拡大するリスクを受け入れ、予防策を立てながら再開を進めていくと言ったコンテ首相。来月3日からは、イタリア全土の移動を許可し、14日間の自主隔離なしでEU圏内からの観光客を受け入れ始めると発表されていますが、まだ早いのではないかという不安の声も。ワクチンや薬が開発されるまで、コロナとの共生に向けて試行錯誤しながら進んでいく道のりは決して容易いものではないと思います。2ヶ月に渡るロックダウンの後に待ち受けていたのは、普通の日常ではなく、ソーシャルディスタンスや規制のある新しい日常。自由に外に出られるようになった開放感と第2波への不安が入り混じる中、社会的距離を保つ生活にまず慣れていくことが必要なのかもしれません。
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